装飾部とは美術部が作ったセットに家具、食器、装飾品などを配置し画面を飾っていく仕事である。今回の築地一号店で言えば、箸箱、丼、湯のみ、テレビ、厨房の中の炊飯器、ずんどう、壁に貼られた注意書き…など。当時の物や、資料を元に作成したものなども交じりセットをリアルなものへと仕上げている。

 

しかし飾るのはそこだけではない、築地の他の店舗や、道行く人達も飾らなければいけない。鰻屋の前に置かれた一升瓶、バケツ、公衆電話、洋食屋のショーケースに並べられたサンプル、美容室には当時の「くるくるネオン」も、さらにトロ箱を運ぶ台車や自転車…etc。今回の作品ではこれらが全て重要なキャストとなる。

本作での装飾のポイントを聞くと「画面に映る物はもちろん、ほとんど映らない場所にもこだわった」とのこと。
例えば、築地一号店の斜め向かいにある卵焼き屋のショーケースに本物のだし巻きを並べたり、お店の中には本物の卵を置いたり、美容院の中には当時のヘアモデルの写真が貼られたりと教えてもらわないと気付かない場所もしっかりと飾られていた。

 

「こういう細かな積み重ねが、作品全体に重厚感を与えられると信じていつも飾っている…」こういうプロ達の想いと技術が作品を魅力的なものへと昇華させていくのだろう。
CMにちらりと映る店の中にどんな物が飾られているのか?そんなことを想像して観ればさらに作品が豊かなものに感じるかもしれない。