今回のCM作品の脚本は今や日本を代表する喜劇作家、福田雄一氏が担当した。氏は舞台、TV、映画と多岐に渡り活躍しているが、シリーズCMは初めてだそうだ。学生時代から吉野家の大ファンで吉野家一筋一度も浮気した事がないらしい。だからこの作品のオファーが来た時は天にも昇る気持ちで二つ返事で引き受けた。快託したもう一つの理由は尊敬する山崎監督からのオファーであった事だった。

 

監督からは「主人公が成長していく物語。面白いもの」とだけ注文が来た。

まずはじめに主人公のキャラクターの造形から取りかかる。ここでのポイントはあえて主人公の欠点を見つけることだという。主人公は少し「抜けている」ところがあった方が周りの人物がそれを補ったり、つっこんだりする事で物語が豊かになるのだとか。今回菅田さん演じる主役には「勢いだけで突っ走り、思った事をすぐ口に出すお調子者」という欠点が肉付けされた。

さらにこだわったのは今風の笑いと昭和の笑いを散りばめる事だった。意識したのは「高度経済成長を感じさせる全体に元気な笑い」だった。本編でも主人公が夢を語り調子にのり大将に叱られる場面が印象的だ。

また当時流行ったギャグを入れることで、それを知らない子供達とのコミュニケーションが生まれれば…との思いも込められている。

 

今回一番良かった事は山崎監督とタッグが組めた事。自己表現ではなく見る人の視点にたってエンターテイメントに徹しているところに共感を覚えた。笑いは千差万別で共通点は見つからない。このCMで自分の作った笑いを幅広く届け、その反応を確認できた事が一番の収穫であったと氏は語る。笑い作りの
プロの貪欲さを感じた。